移動の友

Alphine2006-10-31

久々に推理小説以外の本を読みながら移動です。大阪へ移動の際に見つけたこの本、なかなか秀逸です。あの、とっても簡単な式、X^n+Y^n=Z^nでn>2の時整数解を持たないというもの。フェルマーの最終定理は私なんかでも昔に聞いたことがあり、そして、300年以上も誰一人解決できなかったというあたり、ロマンを感じずにはいられません。この本はその証明を成し遂げたアンドリュー・ワイルズさんをこのフェルマーの最終定理にまつわるドラマを絡めてわかりやすく書き下していて読み応えがあります。著者と訳者の双方の腕が非常に良いと言うことでしょう。超おすすめです。そして、この「証明できたからといって世の中の役には立たない」と思われていたものが実はその証明課程において多大なる業績を上げているあたり、研究者の仕事はどこに有益な課程が潜んでいるかわからないものだなぁと思ったりもします。
にしても一番思ったのはフェルマーさんの底意地の悪さ(笑)そして、ユーモアある文章の書きっぷり(笑)だって、自分が読んでいた本の余白に式を書き加えて「この定理に関して、私は真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる」って普通なんて書きませんって。